ゲーム理論ってなんだ?囚人のジレンマ?何だそれ。何に役立つの?
という疑問を持つ人に向けて、ゲーム理論の囚人のジレンマについて実例付きで解説して行きます。

どうもワサビです。僕は大学時代の選考が経済学部の行動経済学を専攻しており、その時からゲーム理論について勉強していました。その後もゲーム理論を活用しています。
本記事では以下の内容についてがわかります。
ゲーム理論の囚人のジレンマについて
囚人のジレンマがどういった時に起こるか実例付き
ゲーム理論における囚人のジレンマとは?
そもそもゲーム理論とは?
社会や自然界における複数主体が関わる意思決定の問題や行動の相互依存的状況を数学的なモデルを用いて研究する学問である。
という難しい話なんですが、最適な行動戦略や選択を科学する理論のことで、分野的には経済学や数学になります。心理学や経営学や政治学でも扱える分野だそうです。
なのでゲーム理論を理解していると生きていく中での意思決定をどのように取ればいいのかということを理解しやすくなります。生きる基盤としてもゲーム理論を参考にしてもらいたいと思っています。
囚人のジレンマ解説
ゲーム理論において最も有名な話が囚人のジレンマというモデルです。
どういったことかというと、例を説明した方が早いと思うので解説します。ある犯罪に関する容疑で捕まった2人の容疑者が、意思疎通の出来ない別々の部屋で尋問を受けています。
この2人が取る選択肢は「自白する」「自白しない」のいずれかですが、自白の状況によって受ける刑罰の重さが異なります。
例
表にまとめるとこんな状況です。
例えば以下の4パターンになります。
このように、自分にとって一番魅力的な選択肢を選んだ結果、協力した時よりも悪い結果を招いてしまうことを「囚人のジレンマ」と呼びます。
一見、どちらも黙秘した方がお互い得するじゃんという気持ちになるかと思います。しかし、この現場にいてその判断が下せるでしょうか?色々な思惑が頭を過ぎると思います。
また相手は自白したぞという嘘を言われたりすることもあるので必ずしも最適である答えを選択できるとも限りません。
「パレート最適」と「ナッシュ均衡」における矛盾が起きる
囚人のジレンマを理解する上で覚えておきたいのが「パレート最適」と「ナッシュ均衡」です。
難しい横文字なんで単語自体は覚える必要はないんですが、どういう力が作用して決定を下すのかということを覚えておいてください。
簡単にいうと
全体の利益を優先するパレート最適
個人にとって合理的なナッシュ均衡
この二つです。一つずつ説明していくと、囚人のジレンマの例でいくと、
「二人ともが自白せずに懲役1年の刑罰を受ける」が「パレート最適」と言えます。
しかし、相手が裏切って自白した場合、自分は懲役10年になってしまいます。そのリスクを回避するためには自白するしかありません。
この状態だと「自白する」という選択しかできず、そこから変える必要がありません、自分の選択を変えると利益が得られない状態=互いに変わる必要のない安定した状態のことを「ナッシュ均衡」と呼びます。
各々にとっての合理的な判断(リスクの少ない判断)である「ナッシュ均衡」と、全体の利益が最大化される「パレート最適」は必ずしも一致するとは限らない状態、この矛盾のことを「囚人のジレンマ」と呼びます。
日常生活における囚人のジレンマの例
囚人のジレンマの有名な話だと牛丼の値下げ競争があります。
牛丼の値下げ競争
Y野屋
M屋
Sき家
は牛丼業界では、激しい価格競争が繰り広げております。
元々、牛丼一杯400円くらいが相場でしたが、2010年から2013年までで牛丼一杯280円という値段程度に統一されました。そこから何やかんやで300円くらいに落ち着いています。
これらは囚人のジレンマによって起こっています。
解説して行きます。
牛丼を食べる側の皆さまは、同じ程度のクオリティであればよりやすい牛丼が食べたいはずです。もちろん安くしたお店にお客さんは集中します。
しかし簡単なことですが安くしすぎると、企業側は消耗戦を余儀なくされますが、価格を下げないとお客さんが周りの競合にとられるという事態に陥ります。これが囚人のジレンマです。
というように一例でしたが、このようなパターンは生きているだけでかなりの数が行われています。
日常生活でもこういったゲーム理論が頭の片隅にあるだけで、より良い判断が下せると考えていますので皆まさもぜひ参考にしてみてくださいね。
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